Ica

羅叉とヨハン文

同情でいい、羅叉ヨハがみたい、いとうです

もう一言目からなんかあの…かわいそうだよね…自分でちょっと思った…

人に求める前に先ず自分で書こうとは思うけどやっぱりチェケラッごめんチェケラッってどういう意味だろうわかんないいれかわりネタの構想も練れてきて楽しいです

●前書いたお見合い現パロの羅叉独白

ソレだけで世界が変わると言うことがあるなんて、知らない人間の方が多いだろう。ソレはさまざまなかたちで在るからだ。長い年月をかけて育まれるものもあれば、自分のように、世界をがらりと一瞬で変えるものがある。

そう。

ソレを見た時に、世界に色がついた。

咄嗟にそう思った。それから、目を閉じて、もう一度開けて、間違いでないことに気づいた。世界に色がついている。今までの世界に色がついていなかったわけではない。自分には大事な仲間、というか、家族に近い存在も在る。それらのことも大事だ。けれど、こんな色のつき方は、今までなかった。ありえなかった。世界が変わった。色がついた。

ヨハン・サンライズと名乗るその男によって。

性別なんてどうだって良かった。俺にとって大事なのは、そんなことではない。

眉をよせて訝しげに文句を言っているヨハンは、俺と同じような想いはしなかったのだろう。それでもいい。これから、そう、これからだ。

ヨハンの世界に、色をつけてやる。

だから、覚悟しろ。俺はもうヨハンという世界を手放す気はないし、ヨハンにもそう望む。勝手な都合だ。だけどきっと、俺はこの男を知るたびにもっと好きになる。予言にも近い、確信だった。

かといってお互いに嫌いなところがない羅叉とヨハンもないと思うから喧嘩もしてほしいよね…ぜえはあ。

ヨハンと羅叉の兄弟(義理だろうな…)パロを考えてたらSIXが出てきて収拾つかない一代スペクタルになりそうだった 危ない シンプルにいこうか

●ヨハンと羅叉の兄弟現パロ

養父が死んだ。

参列している、終わりの見えない列ひとりひとりに頭を下げる横目で、生存の笑顔の養父の遺影をちらりと見る。感慨はわかなかった。

羅叉はどこかでほっつき歩いているのだろう。どこにいったかはしらない。ヨハンはここから離れられない。幸い、養父と生前付き合いのあったひとたちがサポートしてくれたため葬式もこうして手配することが出来たが、ひとりでは流石に酷であったろう。羅叉のことは最初から頭にない。そういうことが出来る男でないことは分かっている。とはいっても──これでも、兄弟であるのだが。

「これから大変でしょうね、何かあったらいつでも言ってちょうだい」

「はい、ありがとうございます」

涙ぐんでいたり、号泣しているひとも多く見受けられる。それだけ養父は愛されていたのだ。ときどき、息子であるヨハンの振舞いに批難の含まれる言葉が聞こえる。随分と平気そうだ。恩知らず。ただ、泣いていられない状況だということはみれば分かることだし、こういうところで冷静なのはそこまで可笑しいことではない。噂しているのは、養父が死んだとき、一滴も泣かなかったのを知っている人だろう。羅叉でさえ、暫く部屋に閉じこもったと言うのに、羅叉よりもずっと幼少に引き取られ、まさしく息子であるヨハンが泣かないというのは、悲しみが大きすぎたのだと好意的に解釈するのはむずかしいことかもしれない。

泣いてばかりなどいられない。

ヨハンはまだ成人していない。羅叉も同様だ。まだ、高校に通っている身なのだ。これからどうするか。養父の残した金をやりくりしていけばかなりの間は持つだろう。大学のために養父が別で用意してくれていた金もある。不足の事態はいつ起こるか分からないので、本当はあまり手をつけたくないが、葬式の費用は養父の残した金から捻出した。部活はもう大きな大会が終わったあとだ。やめて、バイトと学業に専念しよう。授業料免除の試験に合格したい。羅叉がどの道を選ぼうと、勝手に選ばせてやれるようにできるだけ自分には金をかけたくない。次、次、次、だ。ヨハンは先のことをただ考える。

葬式が終わって、眠気と疲労感をこらえて家に帰った。家主のいない家だ。これからは羅叉と二人か。そう考えると酷く気が重かった。羅叉と自分は、特に仲がいいわけでもなんでもない。寧ろ、羅叉はヨハンが嫌いであろうし、ヨハンも別に好かれたいなどと思ったことはない。養父が居たころはそれでよかった。これからも──それでいいだろうか。

それでも毎日はめぐってくる。

公欠の日数が終わって、羅叉と自分の分の弁当を作る。担任に話をつける。顧問にも。そうして放課後は通っていたバイト先に向かい、仕事をして、帰宅してから勉強する。なんだ、意外に変わらないな。一瞬そう思ってから、養父のいない自分のあまりの変わらなさに絶望もしかけた。羅叉を見ろ。変わらないとは程遠い。現に。……現に?

見て居ない。羅叉を。

少しためらってから羅叉の部屋をノックした。返事はない。入るぞ。と告げてからドアノブを捻った。

「……羅叉?」

部屋の中は、滅茶苦茶だった。倒れた本棚や机。もともと驚くほどものがない羅叉の部屋だったが、それでも滅茶苦茶にしようと思えば出来るのだななんて見当違いなことを思ったほどだ。

その上、タイミングがいいのか悪いのか。羅叉は窓に足をかけているところだった。目があって、これが羅叉でなければ笑顔を浮かべてみる努力でもするのかもしれないが、何て途方もないことを考えている時点で、ヨハンも混乱しているのだろう。

……羅叉は養父のことが本当に好きだったのだろう。親に捨てられてから、心の支えですらあったはずだ。それを失って、それから、それから……? ヨハンは羅叉のことを考えてやれていただろうか。信じすぎた。ある意味。ヨハンは羅叉のことを、きっと過大評価し過ぎていた。羅叉は人間だ。夜中にうなされては目を覚ます自分と変わらないのだ。ふとわき上がった想いに口を開いた。

「……どこへ行くんだ?」

羅叉は答えなかった。つまらなそうに窓辺に腰かけて、月を背景にこちらを見ているだけだ。拳は血にまみれている。殴りつけたのだろう。憤りにまかせて。

「羅叉、おれと君は、血がつながっていないけれど──」そんなこと本当は関係ない。養父と自分たちは血が繋がってなどいなかった。「……仲もよくはないが、それでも、兄弟だ」血のつながりがあれば、ここは無条件だったのか。

割れたガラスを踏み越えて羅叉に歩み寄る。

「来るな、ヨハン」

「悪いが。……ここはおれの家でも、君の家でもあるし、そのどちらでもないよ」ふと俯いてから、全く関係ないような話題に飛んだ。「羅叉、君は大学はどうするんだ」

「…………知らぬ」

落ちているガラスをひろって、ながめてみた。沈黙の後、羅叉が吐き捨てるように呟いた。

「貴様はいつもそうだ。次、次、次。先と他人のことしか見えていない。今は、どうなのだ」

「悲しんでも帰ってこないだろう」

「そうやって先のことばかり見据える貴様に、吐き気がする、虫唾が走る」

そこまで言われるのは心外だ。

「おれは君と話している。今」

見えていないのは君の方だろう。ガラスを投げつけたくなった。苛々してくる。

「それと。苛々するのも何をするのも勝手だが物にあたるのは程ほどにしたまえ」

「じゃあどうすればいい」

「知るか。自分で考えろ」

そこまでの責任は持てない。まだ高校生のこの男には優しくない対処だっただろうか。

「………俺は貴様が、嫌いなんだ」

どうして途方に暮れたように言うのか、それもさっぱり分からない。

「おれだって君が嫌いだよ。だが、兄弟だ。見すごすこともできない」

「俺は貴様と兄弟でなどいたくない」

その言葉がどんな意味であるかは分からなかった。ただ羅叉が傷ついていることだけは明白だった。何度か迷ってから、物が倒れたベッドを見た。養父と同じことを自分がやれるとは思わないが。

「君が夜の街に飛び出して馬鹿なことをして殺傷沙汰になろうがなんだっていい。他人だったら」

羅叉の手を掴んで、目を合わせた。

「だが、そうもいかない。羅叉。眠れないのだろう」

傷ついているのは、本当はおれも同じで。それは弱さで。

だけどおれたちはまだ子供だから、その傷をうまくかくすこともできない。こんな不器用なことしか出来ない。

一緒に寝ようか。

その手を頬に押し付けて提案した言葉を、羅叉が呑むのか呑まないのか、そんなことはどうでもよかった。きっと、そう言うことでおれはおれを慰めたのだ。

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ん…ん…?よくわからないことになった…