Ica

薔薇マリ文

荊王とヨハンと羅叉の3P!

無理かも!って思ってたけど一応かけた!前振りまでだけど!

サイトにあげるときは本番までいれます。

いやーほんと、

課題

・波風立てない愛し方をする荊王が、どうやってヨハンを抱くか

・独占欲の強い羅叉が、どうやって荊王がいることを妥協するか

・そもそも3Pに至る経緯について

とかいろいろとあったのを

ただひとつ、「ヨハンが進んで」というのと、「ヨハンのために」という条件下で何とかしてやったぜ!

結果

ヨハンがただの変態になりかけた

でも書いてるのはすんごい楽しかった

こんなことやあんなことをしてほしいと悶えるヨハンが楽しすぎた

つづきから文。携帯の方はスクロール。

※ヨハンが変態です

※露骨

※ほも

※さんぴーだってー!?

※駄目マリ設定

※かっこいいヨハンなんていない

※ヨハンが変態

実は知られていないことだが、この学園でも相当に煙たがられる類の真面目で冷徹で眼鏡なヨハン・サンライズは、物凄く駄目である。

自覚しているのだ。この沸々と湧き上がる駄目な所。

だからなおさら羅叉や荊王に近づきたくないのに。

誰にも言えないし、言うつもりもないし、自分でも何度も疑ってみたのだが、

(普通のじゃ物足りない…)

ぽわんと胸中で考えた途端、顔が熱くなるのがわかる。何を思ってるのだ自分は。こんな真昼間から…これじゃ毎日セックスしたいと叫んでいるあのマリアローズと同じではないか。人は誰でもアブノーマルな所に惹かれる心を持っているというがそんなことでは言い訳にはならない。ほんとはいっそ縛られてもいいとかそんなこと、全然、全く思ってないし、手荒く扱われるとはぅあっってなっちゃうけど、まさかヨハン・サンライズがそんなことを考えているなんて誰もわからないだろう。思いつきもしないだろう。というか、自分だってまさかこんなこと思うとは、ちょっと前までは知らなかったのだ。羅、羅叉が。手荒に抱くから。痛いほうが感じるんじゃないかとか言うから段々あれ、もしかしてそうかも、とか思ったり、し、していない!しているわけがない!男同士のセックスなど非生産的だ。馬鹿な。抵抗は、勿論しているけれど。羅叉のことは好きだが、それはもう好きで好きでその実べたぼれであるのだが本人に言うつもりはない。はっきりしないヨハンの態度に時々荒々しく床に倒したりしてくるのがたまらにゃいからとか「先生、すみません。ちょっと滝にうたれてきます」

悶々。

まさにその字がぴったりだろう。しかしそれでは駄目なのだ。ヨハンは墨をとぐ音で自身を落ちつけようとした。水がどんどん黒くなっていき、たった一人の道場でちゅんちゅんと鳥が鳴き、せせらぎが耳に届けばさしものヨハンも一息つける。

しゃっしゃっ

姿勢を正しく、慣れ親しんだ和服に身を包めば、何と清廉なことか。

筆をとって半紙に柔らかくかく。

平常心

清廉

除夜の鐘

煩悩

破廉恥

羅叉

荊王

抜歯

「も…?」

そこまで書いたところで、後ろから声が聞こえてとび跳ねた。

振り向いた先にいたのは、羅叉。

奇声をあげそうだった。にゃあああああああああああとかなああああああとかやああああああああああとからめええええええええええええとか。

「ら、羅叉っ」

「ふむ、『羅叉』か…」

道場で稽古をしていたのだろう。少し汗ばんだ胸元が覗いて硬直しかけたが、それよりも大事なのはヨハンが書いた半紙の一番嫌なところを羅叉に見られているということだ。手にとって、まじまじと。な、なんか言われるだろうか。こっちを見ないでほしい。顔が熱い。言われて叱られてまさかそんなこんな静かな場所で、

「……修行が足りないぞ」

「へ?」

「字がいつものお前のでないな。どうした?」

ら、らめえええええええええ!!!!!

胸中で今度こそ叫んだ。叫ばざるを得なかった。

何て、低俗なことを考えていたのか!

この父の道場でそんなことを考えるなんて信じられないことなのだ。羅叉も父を尊敬していて、いくら学校ではそういう行為を進めるとは言え分別はあった。ありすぎた。ヨハンなどより百倍はあった。

羅叉が大事にしている本当に自分を鍛えるための場所で、自分は何をしているのか。途端に恥ずかしくなってきて、飛び降りてしまいたくなる。

まずい。もうやだ。日に日に激しくなってる。こうなったら、恥を忍んで頼み込んだほうが早いのでは。

「りゃさっ…!」

噛んだ。

「ど、うしたヨハン」

「稽古が終わったら、後で話がある。来てくれないだろうか。あ、いや、きたくなかったら、いいんだが」

段々声音が小さくなってしまう。当たり前だ。喋りながら既に自分で恥ずかしくなってきた。

羅叉は目を細めて、ヨハンを一瞥し、何やらただならぬことであると勝手に感じ取って、「行くに決まっている、当然だろう?」と言ってくれたその優しさがつらいです。

「それで、どうしたんだ、ヨハン?」

気遣わしげな表情にドクンドクンと心臓が嫌な音を立てている。目を合わせられない。どうしよう。いや言ってしまうんだ。言おうとして呼んだんだろう。そもそも、もう一人じゃ解決できないレベルまで来てしまっているような気がする。ここは、その、協力をあおぐのが、いいんじゃないだろうか。

「ら、さ…その」

どうしよう切腹するべきですか。

「その……」

「どうした、お前らしくもない」

おれらしい、とは何だったか。今まさに羅叉と二人きりの空間に既に我慢できなくなりかけているおれはおれなのだろうかもう死にたい。

「………私を、の、罵ってくれないだろうか!」

言ってしまった!

羅叉が「……?」となんか遠い目をしながら笑みを浮かべている。羅叉が笑うなんて珍しい。死ぬなら一緒に死んでくれないか。

「べっ別に罵らなくてもかまわない!ただ私が満足できそうな、少し、アブノーマルなことをしてほしいというか…」

ぶっちゃけて言ってしまえば放置とかでもいいから。とりあえず、なんか。羅叉が、すごい顔をしている。気持ち悪いか、気持ち悪いだろう普通。失念していた。いっぱいいっぱいだった。羅叉に、嫌われてしまいたくなかったのに。だから我慢していたのに。結局嫌われてしまっては意味がない。

そう思った瞬間、ぼろっと大粒の涙が溢れた。

「ヨハン?!」

ぎょっとした羅叉の表情に何でもないと言おうとして言えなかった。次から次へと出てくる。止められない。着物にぱたぱたと水のしみができる。

「すま、っな、っ」

飛びたい。

どうして自分でもこうなってしまったのかわからない。羅叉に迷惑をかけたくない。それでも、抱いてほしくて仕方なくて。

「ふぅっ……」

「わ、わかった」

わかってもらえる筈ないのに。

に?

「わかった?!」

「ああ。ヨハンが言うなら、俺も、その、努力しよう」

「本当か、本当に、」

「本当だ、そうなってしまった原因もあるはずだ。心当たりもあるしな…」

「?」

よくわからなかったが、嬉しくて止めたはずの涙があふれて、また泣いてしまった。

「え、ヨハンに?やだなあ、したよ。ばっちり。面白い薬があったから」

薔薇のマリア”。学園中の男を食いつくす気なのでないかといわれるその男は、問うとあっさりとほほ笑んだ。

ヨハンが泣きついて、アブノーマルなことをしてほしい何て言いだしたときは正直かなり狼狽したのだが、あのヨハンが簡単にそんなことをいうわけがない。もしかしたら何か原因があるのではないかと考えた結果、一人しか思いつかなかった。もしこいつが何も知らなければ、ヨハンはただ単にちょっとあれになってしまっただけなのだが、良かった。横を見ればヨハンも心なしかほっとしている。

「名付けて”アブノーマルくん”!もうとにかく、アブノーマルなことをしないと治らない!よ?ふふ、がんばってね?」

というわけでアブノーマルなプレイを物凄く頑張ることになったのだが、何をしてもヨハンは治らなかった。

プレイの内容は割愛。

そうしてもう一回問いただしてみたところ、二人以上の精液をその身に受けなければ治らないらしい。

「え、」

聞いたヨハンの瞳がどうしてかうるんでいたのは見なかったことにしよう。

「二人…」

今までのは、せめて自分でやるから良かった。けれど、そんな。ヨハンに自分以外の男が。

「それなんてギャルゲ?って感じでしょ?で、で、ぼくはヨハンをまだきちんと抱いてないんだよねー…大歓迎なんだけど!」

「それが目的か」

「駄目?」

「殺すぞ」

「じゃあ、他の人に頼めば?一人いるでしょ」

ヨハンを見ると何か思いついた奴がいるのか視線がさまよっている。居るということがそもそもがっかりなのだが。

「…誰だ、ヨハン」

「う………その…荊王、だ」

ミッションスタート。

からり。本を運ぶのを手伝ってくれと頼んだら、荊王はいつものように承諾してくれた。荊王は無口だが気がきく。それほど喋らない訳でもない。博学であるし、頭の回転も良く、流石あの飛燕と友人をやるだけはあるというものだ。

一冊一冊本棚におしこめて、ちらりと荊王のほうをうかがう。何を考えているかよくわからない。どうやらヨハンを今の症状に至らしめた薬は、思考もぼやけさせてしまう効果があって、勿論それは副作用で本来は頭をアブノーマルなことでいっぱいにしてしまうように体に働きかけるものなのだが。

だからどうすればいいかわからない。分からなくなって、結局、強硬手段に出てしまうのだ。

荊王が、「終わったな」と言って歩き出そうとしたとき、咄嗟に腕をつかんだ。

「…………」

「………………あ」

「………・どうした」

やらないか。

って、そんな率直じゃなくて。

「その、荊王。頼みがある」

「何だ」

「だっだっだっ………断らないか?」

抱かないか。言おうとして不安になった。急に言ったところで、不信がられるのも落ちである。というか断られたらどうしよう。マリアローズと何て、そっちのほうが嫌だ。どうせなら、荊王がいい。

「内容によるだろう」

少し呆れているように感じる。馬鹿なことを聞いた。当たり前だ。けれどどうしても聞かずには居られなかったのだ。俯くと、そっと頭の上に手がのってきて、さわさわと撫でられた。

「言ってみろ」

「……………だ、抱いて、くれないか」

言った、言ってしまった。

長い長い沈黙が落ちて、また泣いてしまいそうになった。いや、駄目だ。泣くな。荊王が困るだけだ。

「……………怒るんじゃ、ないのか」

ぱさついた、乾いた、けれど何かを押し殺したような、声だった。

「え?」

「…お前に、いるだろう」

「らっ、羅叉、か?あ、いやこれは、羅叉も承知というか」

「承知の上だと?」

また眉間のしわが増えた。もうどうすればいいのか。

掴んだ腕をつい離しかけた。けれど逆に腕を掴まれる。

「どういうことだ?」

「──」

アブノーマルなことをしてほしくて、しかもアブノーマルなことを二人以上にして貰わないと駄目だなんて、どう言えばいいのか。触れられている腕が、熱い。まずい。ほわほわしてきた。抱いてほしい。いますぐ。

「じんわん…」

「ちょっと待て」

「へ?」

聞こえてきたのは、羅叉の声だ。間違いない。うっとりと荊王の聞いてるだけでぞくぞくしそうな声が耳に心地よく響いていたのだけど、この低い声は、

「羅叉?」

「二人以上の精液、と言っていたが、結局アブノーマルなことをしなければいけないということをマリアローズに言われて気がついた。貴様とヨハンで、そんなことをするなんて、最悪だ。だから、せめて、」

ふわ、と後ろから抱かれた。前には荊王。後ろには羅叉。なんか頭上で火花が飛び散っている気がする。

「……俺もまぜろ」

その言葉を聞いただけで、はふぅと昇天しそうになったのは秘密である。

変態!変態!