Ica

薔薇マリ文

あまりの13巻のラストのヨハンがかっこよすぎて涙出てきた。

つづきから雰囲気文。

ああそれは、とても陳腐であるように思えた。

けれどその瞬間のそれを、陳腐だと表現してしまえば、世の中のすべての出来事はそれ以下を当然のように這いまわる。

白と黒の世界に散った、桜の花びらのように。

あるいは、青空に落ちてきた愛の言葉のような。

涙からこぼれた螺旋のような。つないだ指に言葉を重ねるような。人形の中から溢れる虹のような。

(何を、考えているのだろう。)

そんな比喩を使うことがあるなんて思ってもいなかった。すべては、それは、彼は、だけどそれを覆して。

「我らの義は……!」

すべての音はその声の前に散った。どう言い繕ったところであの声を聞いた時の衝撃を表現すること何て出来ない。だからそうとだけ。ただ、その声を聞いただけで、見開いた瞳と戦慄いた唇と動けないからだから、何かが溢れだした。止められなかった。ぼろりと溢れだしたそれは透明で誰にも見えない涙だったのだけど、どういった類の涙であったろう。

ああ、彼は。彼は。彼は彼は彼は彼は…!!!

義、そのもの。

誰もが気付いてた。気づいてたけど言わなかった。気づいていることに気づいている。あの、すべてを払しょくする、あの暖かで冷たくて凛とした朝焼けの霜の中に死んだ草のような。

(ああ、死んでしまいたい。)

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クルエルフォート視点のつもりで書いてたけど、コンラッドでもありユキシでもありエルランディーノでもありドーソン・サッティアでもあり羅叉でもありフォールでもありそして、SIXでもある。その瞬間の衝動。